撮影旅行のお供に高性能な小型ノートパソコン
高性能なパソコンがあれば、デジタル一眼レフで撮った写真を、快適に編集(RAW現像)できる。
もし撮影旅行中でも、ちょっとしたRAW現像がしたいなら、薄くて軽くてコンパクトなノートパソコンがいいだろう。
なぜなら、カメラの本体やレンズで、旅行の荷物が重くなるからだ。
そこで筆者がオススメするのは、Apple社の「MacBook 2017」だ。
なぜならMacBookは、RAW現像では欠かせない高画質のディスプレイ(Ratinaディスプレイ)が使われているからだ。しかも多少カスタマイズ 1すれば、RAW現像ソフトのLightroomや画像編集ソフトのPhotoshopが快適に使える。(詳細は本文中にある)
しかも最近のMacBookでは、Boot Campという機能を使って、Windows 10が動くようになった。だからコンパクトで高性能なWindowsノートパソコンとしてもすばらしい出来なのだ。
そこでこの記事では、はじめにRAW現像に必要なスペック(パソコンの性能)を簡単に説明してから、MacBookと、他のRAW現像で使えそうなノートパソコンを比較してみる。
2018年4月27日追記
大幅に内容を整理して、「RAW現像に使いたい、おすすめのノートパソコン」に特化してリライトしました。
2018年5月31日追記
マウスコンピューター社さまより、レビュー機材としてDAIVのノートパソコンをお借りすることが出来た。
詳しくは、本文中の追記項目か、以下のリンク先にてどうぞ。
2020年11月24日追記
マウス社アフィリエイト終了につきリンク変更
RAW現像に必要なノートパソコンのスペック
結論から言うと、RAW現像には、高性能なパソコンが必要だ。
具体的には、以下のようなスペックが良いだろう。
- Core i5かi7またはi9のCPU
- 最低8GB以上(できれば16GB以上)のメモリー
- CPU内蔵ではない独立したGPU(なくてもOK)
- 240GB以上のSSD
- 大容量HDD
解説
パソコンの頭脳(演算処理装置)であるCPU 2は、できるだけ良いものを選ぶといいだろう。
ただし、ノートパソコンに搭載されているCPUは、モバイル向けに設計されているので、デスクトップパソコン用のCPUとは仕様が一部異なるので要注意。
またメモリーは、WindowsやMacOS(OS 3)だけでなくLightroomも快適に使えるよう、なるべく大容量を選んだほうがいい。
筆者はデスクトップのパソコン 4で、Windows 7 ProとLightroomを8GBのメモリーで使っているが、はっきりいって足りない。
さらに、OSやLightroomがインストールされるSSD、画像データ(RAW画像)を保存するHDDは、大容量なものが求められる。なお大容量HDDは、ノートパソコンで使うなら外付けHDDかNAS 5がいいだろう。持ち運ぶのなら、衝撃や振動に強いSSDがおすすめだ。
そして、画像処理に特化した演算処理装置であるGPU 6があれば、LightroomやPhotoshopの「GPU支援機能」で、CPUの負担を軽くできる。GPUという名前は、PCゲームや仮想通貨のマイニングをしている人なら聞いたことがあるだろう。
なおRAW現像で必要なパソコンのスペックについては、以下のサイトを参考にさせていただいた。この場を借りて、お礼申し上げる。
IPS液晶ディスプレイは必須
画像編集には、高画質なディスプレイが欠かせない。先ほど引用させていただいたStudio9さんの記事によると、「IPS液晶ディスプレイ」がいいそうだ。しかもMacBookやMacBook Proなら、RAW現像用ノートパソコンとしておすすめらしい。
なぜなら、ノートパソコンに使われているディスプレイは、メーカーによって当たり外れが大きいらしい。筆者が実際に価格コムで調べたところ、Core i5を積んでいる安いノートパソコンのレビューでは、「画質が悪い」という意見をよく見かけた。
もっともディスプレイを別に用意すれば解決できるらしいが、外でも簡単なRAW現像をしたいので、あまり質の悪いディスプレイは使いたくないのだ。
ということで、MacBookだけでなく他にも2つほど、画像編集で使えそうなノートパソコンをピックアップしてみた。
RAW現像に使えそうなノートパソコン
Apple Macbook 2017(税別¥142,800~)
Apple社が販売しているノートパソコンで、筆者が買ったモデルである。
とても軽いノートパソコンで、重さを測ってみたら、別売りのケースも含めて1.1kgしかなかった。
このノートパソコンには、高画質・高解像度な12インチRatinaディスプレイが使われている。だから、とてもコンパクトに仕上がっている。
このMacBookには、「MacOS High Sierra」がインストールされており、Boot Campを使うとWindowsもインストールできる。(Windows 10のライセンス購入が必須)
つまり、普通のWindowsノートパソコンとしても使えるのだ。
また、LightroomやPhotoshopはMacOSにも対応しているので、WindowsとMacのどちらでも使える 7。
ちなみに購入したMacBookは、SSDの容量が256GBのモデルである。
デフォルトでは、CPU 8はCore m3でメモリーが8GBだが、購入時のカスタマイズで、CPUをCore i5(+\11,000)、メモリーを8GBから16GB(+\22,000)に変更した。
そこへApple社の保険(AppleCare+ for Macbook/Macbook Air \23,800)をつけて、合計\199,600(税別)だった。
さらにはBoot Campで使うWindows 10のライセンス代(税別\14,380)も含めると21万円を超えてしまい、多少割高に感じてしまった。
ただ、旅のお供になる小型の高性能なノートパソコンが手に入ったのがうれしい。MacOSの使い勝手も、慣れてくるとこれはこれで良いと感じた。
ところでMacBookには、一番安いMacBook AirからMacBookの中では最高の性能を持つMacBook Proまである。
これらの違いなどについては、別の機会にて比較したい。
参考用に、筆者が以前に書いた古い記事を載せておく。こちらも読みやすいよう、大幅に書き直すか、改めて記事を書くつもりだ。
マウスコンピュータ DAIV-NG5720シリーズ(税別139,800~)
DAIVとは、マウスコンピュータが販売するクリエイター向けパソコンのブランドだ 9。デスクトップパソコンとノートパソコン両方のモデルがあるが、この記事では後者について取り上げる。
DAIVのノートパソコンは、4つの機種に分かれている。
そのうち、さっきの「RAW現像に必要なノートパソコンのスペック」に当てはまるのは、最低でもDAIV-NG5720(税別139,800~)だ。一番安いDAIV-NG4500(税別119,800)では、基本構成を見る限り「IPS液晶パネル」の表記が見当たらなかったので、候補リストから外した。
このノートパソコンには、昔からあるUSBポートの形(TYPE-A)をしたUSB3.0や映像出力に使うmini DisplayPortやHDMI、カードリーダーや有線LANポートも用意されており、変換アダプターいらずで使いやすそうだ。
一方のMacBookは、ノートパソコンの充電と映像出力も兼ねたUSB3.1 TYPE-Cしかない。
またDAIVのノートパソコンには、全ての機種にGPUが搭載されており、LightroomやPhotoshopのGPU支援機能が使える。
さらには液晶画面も15.6型(DAIV-NG5720シリーズの場合)と大きく、「いつでもどこでも、本格的なRAW現像ができる」ノートパソコンとしては非常に良いと思う。自宅のテーブルやコタツの上で作業するときにもぴったりだ。
しかし撮影旅行のお供には、大きくて持ち運ぶのが苦しいかもしれない。実際にレビューされた方(PCナビゲーター&カメラナビゲーターさん)によると、「DAIV-NG5720S1-SH2」という機種では、本体だけで2.8kgぐらいあるそうだ。
2018年5月31日追記
この度マウスコンピューター社さまより、なんとレビュー用の機材として、17型4K-UHDディスプレイ搭載の「DAIV-NG7500S2-SH5」と15.6型sRGB比95%フルHDディスプレイ搭載の「DAIV-NG5720S1-SH2」をお借りすることができた。
その詳細については、リンク先の記事にて詳しく書いているので、是非とも見てほしい。
Microsoft Surface Pro と Surface Book 2
MicrosoftのSurfaceと言えば、タブレット型パソコンを真っ先に思い出す。RAW現像もできるWindowsタブレットが欲しい人には、とてもおすすめだ。Photoshopのレタッチにもいいだろう。
最近では、ノートパソコンとタブレットの両方を兼ねる製品(2 in 1ノート)もリリースされているようだ。どちらかというとSurcafe Proはタブレット、Surcafe Book 2はノートパソコンに近い作りだ。
特にSurface Book 2のCore i7モデルは、DAIVの製品と同じように独立したGPUが使われているので、GPU支援機能が使える。
しかしMacbookやDAIVのような、注文時のカスタマイズはできないようだ。そのため、Core i7のCPUや16GBのメモリーを求めるなら、あらかじめ決まった機種の中から選ぶ必要がある。
ここでは、メモリーが16GB入っている機種を選ぶと考えよう。
Surface Proなら、CPUが第7世代のCore i7を搭載している「FKH-00027(512GB SSD搭載で参考価格\259,800)」「FKK-00031(1TB SSD搭載で参考価格\315,800)」を買うと良い。
またSurface Book 2なら、第8世代Intel CPUのCore i7を搭載した「HNL-00023(512GB SSD搭載で参考価格\311,800)」「HNN-00034(1TB SSD搭載で参考価格\367,800)」だ。
デザインもMacbookに負けないほど素晴らしいし、筆者は以前Windowsタブレットを持っていたので、是非とも一台は欲しい。しかし25万~36万円台と高価なのが悩みだ。
マイクロソフト Surface Pro [サーフェス プロ ノートパソコン] Office H&B搭載 12.3型 Core i7/512GB/16GB FKH-00014 | ||||
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マイクロソフト Surface Book 2 [サーフェス ブック 2 ノートパソコン] Office Premium 搭載 13.5 インチ PixelSense™ ディスプレイ Core i7/16GB/512GB GPU搭載 HNL-00012 | ||||
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まとめ
MacBook 2017は、撮影旅行のお供にはぴったりだ。なぜなら、画面が12インチと小さい分、とてもコンパクトに仕上がっているからだ。
しかも軽いので、一眼レフの本体やレンズで重くなる荷物の邪魔にならない。
さてMacbookには、一番安いMacbook Airから最高のスペックを誇るMacbook Pro、そして私が買ったMacbookの3種類が用意されている。
次の記事では、Macbookシリーズの比較や、お得な買い方について述べたいと思う。
Notes:
- BTOまたはCTOという ↩
- Central Processing Unit(中央演算処理装置)の略称 ↩
- Operating Systemの略。基本ソフトとも呼ばれることもある ↩
- Windows 7 Proのサポート期限が迫っており、次のパソコンでは予算の許すかぎりたっぷりとメモリーを載せたい。 ↩
- Network Attached Storage
↩ - Graphics Processing Unit ↩
- ただし読み込めるフォーマット形式が違っていたり、キーボードショートカットが違っていたりするので、その辺は注意する必要がある ↩
- 第7世代Coreプロセッサ「Kaby Lake」のタブレットやファンレス仕様ノートパソコン向けのCPU ↩
- 筆者は、カメラ雑誌「CAPA」で知った。 ↩